新型コロナ対策:やるべきこと、やらなくてもいいこと

北海道ほど爆発的な増加には至ってないですが、東京都でも新型コロナウイルスの新規感染者数が高止まりしています。第7波までと違って65歳未満の感染者数は報告義務がなくなりましたので、報告される感染者数は実際の数より少なくなっていることに注意してください。

今はコロナの流行対策に何が重要か、そうでないかが大分はっきりしてきました。大事な対策をなるべく多くの人が粛々とこなすことが大切ですし、逆にこれまでやられていたけどあまり効果のない対策も分かってきたので、対策疲れにならないためにも効果的な対策のみ選んで行うようにしましょう。

ここで、これまで分かっている対策のおさらいをしてみたいと思います。

新型コロナウイルスの対策:やるべきなこと

  • 定期的に(6ヶ月以内)最新のワクチンを打っておく
  • こまめに換気をする(換気とは外気と室内の空気を入れ換えることです)
  • 屋外でも屋内でも他人が近いとき、会話をするとき、大声を出すときは不織布のマスクをする
  • 具合が悪いときは外に出ない

換気の重要性

コロナ対策の中で一番難しく、見落とされがちなのが換気です。マスク無しの会話や食事などで直接ウイルスの飛沫が飛ばなくても、換気の悪い空間にいるとマスクの隙間などからわずかに漏れたウイルスが溜まって感染してしまいます。レストランでも換気が悪いと離れた人や前に席にいた人からのウイルスが滞留して感染することがあります。

新型コロナウイルスの感染予防が難しいのは症状が出る2日前から他人に感染させてしまうためであり、オフィスや一般住宅でもし身近に感染者がいても日常的に換気を良くしておくことで感染拡大を防げる可能性が高くなります

一般住宅での換気のやり方はダイキンのホームページが詳しいです。

オフィスなどの換気のやり方は感染対策分科会からの提言に詳しく載っています。抜粋しますと

・空気の流れを作ることが大事。無理ならHEPAフィルター付きの空気清浄機を使う
・パーティション・アクリル板は空気の流れと平行に設置する

CO2モニターのススメ

空気は目に見えないので換気が達成出来ているかは分かりにくいのですが、簡単な目安になるのは二酸化炭素の濃度です。外気が400ppm前後ですが、室内では700ppm以下であれば換気が十分に出来ていることになります。最近当院の診察室にも写真のようなCO2モニターを設置しましたが、換気を少し怠ると画像のようにすぐ700ppmを超えてしまいました。若干高価なのですが、頻繁に外食する方はレストラン選びの参考にしたり、在宅ワークの方も換気の目安に買っても良いかもしれません。売値5000円以下の物は偽物が多いので気をつけましょう。簡単は見分け方はこちらが詳しいです

新型コロナウイルスの対策:やらなくてもいいこと

  • 検温
    • スーパーなどでお馴染みですが、新型コロナウイルスは発熱前から感染するのであまり意味がないことが分かってきました。例えば那覇空港の入口で2年間体温測定した結果、新型コロナの発熱者を見つけたのはわずか1名だけでした。大切なのは熱ではなく風邪症状(とくに喉の痛み)がある人は外出しないよう皆さんの意識が高まることです。
    • ここまで言っておいてなんですが、当院では一般施設よりも具合の悪い方がいる可能性が高いため体温測定を続けております。
  • HEPAフィルター以外の空気清浄機
    • マイナスイオンとかプラズマクラスターとか次亜塩素酸なんとか等は全てウイルス予防に効果はありません。使うならHEPAフィルターの付いた空気清浄機のみです。
  • 机や手すりの消毒
    • レストランや教室などでお馴染みの光景ですが、あまり感染予防に効果がなく、食事前などに手を消毒すれば十分です。熱が出ていたり風邪症状のある人が触れた物は消毒した方がいいですが、物品を消毒する暇があったら手を頻繁に消毒しようというのが基本的な方針です。
  • (消毒なしの)手袋の着用
    • 手袋をしていても消毒をしないと手袋の汚れが相手に移るだけですので気をつけましょう。もちろん手荒れしやすい人が手袋を付けて頻繁にアルコール消毒をするのは問題ありません(当院の受付はこの理由で着用していますす)。
    • また、ビュッフェなどで手袋をするのもあまり意味がありません。並ぶ前と食事前に手を消毒すれば十分です。逆に使用済の手袋が食卓に散らばったりしているとなんだか汚らしいですよね。
  • レストランのアクリル板オフィスのパーティションなど
    • 上にも記載しましたが、アクリル板があると換気が妨げられてウイルスが滞留しやすくなります。テーブル席の中央にあるアクリル板も余計大声で話すようになりますし、カウンター席の間にあるアクリル板も心理的に安心という以上の意味はないように思います。
    • 繰り返しになりますが大切なのは部屋の換気をしっかりと行うこと、食事中は喋らずに食事が終わってからマスクをして会話をすることの2点ですので、これが徹底出来ないのにアクリル板を設置してもほとんど意味がありません。
  • 布マスク・ウレタンマスク
    • もはや常識化しつつありますが、不織布以外のマスクにウイルス予防の効果はほとんどありません。ファッションでやりたいなら顔にペイントでもしてくださいという感じです。
  • レジのビニールカーテン
    • これは絶対不要というわけではなくて、お客さんが全員マスクをきちんとしている場合には不要なのですが、マスク無しの方を入店をお断りするのが困難な店舗では仕方ないのかなと思います。レジの前に来たときだけマスクをずらして話し出す人もいたりして、困りますよね。
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