紅麹の被害拡大/健康食品の危険性

小林製薬「紅麹」摂取後の入院26人に 製造番号を公表 | NHK

紅麹の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓を悪くした問題ですが、入院患者が本日新たに20人判明するなど被害が拡大しています。また、同社の紅麹を使用している「宝酒造」の「松竹梅白壁蔵『澪』PREMIUM〈ROSE〉」、「ZERO PLUS」の「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ濃厚チーズせんべい」、「紀文食品」の「国産いか使用いか塩辛」、「タケヤみそ」の「塩ひかえめ紅麹仕立て」などがメーカーの回収対象となっています。対象商品が自宅にある人は口を付けずにメーカーに回収方法について問い合わせてください。

(2024/3/26 追記)

入院患者が50人に拡大し、さらに1名が死亡していることが新たに判明しました。また、自主回収対象の商品も大幅に増えております。下記のサイトなどで最新情報をお確かめください。

小林製薬「紅麹」 腎疾患で1人死亡 新たに約50件入院の情報 【自主回収の商品は】 | NHK | 医療・健康

紅麹と米麹は全く別のもの

醤油や味噌に使われる米麹はAspergillus属のカビ、紅麹はMonascus属のカビで全く違うものです。紅麹が問題になったからといって醤油や味噌を避ける必要は全くありません。尤も摂り過ぎると塩分過多で別の健康問題になってきますが…

健康食品の危険性

これまで紅麹はコレステロールを下げる成分が含まれるとして喧伝されていました。しかし同時に紅麹に含まれるシトルリンという物質が腎臓に障害を与えることも確認されており、今回小林食品はシトルリンを出さない紅麹を厳選して商品化しておりましたが、おそらく別の未知の物質のせいで腎障害が起こってしまった可能性が考えられます。

このように、健康食品には色々な物質が混ざっているため何が効いているのかも確認しづらいと同時に、何がきっかけで悪影響があるのかも予測しづらいのです。たとえば30年くらい前にβカロテンが抗酸化作用があるとして一時期流行しましたが、後に発癌性があると分かって下火になりました。また、食品に何か健康に効果がある物質が含まれていることが分かったら、その物質だけを取り出して薬として販売するのが普通です。食品として発売している時点で特別な効果はないと思っていただいて構いません。

サプリメント・健康食品は基本的にムダ

毎年のように新しいサプリメントが出てきますが、2年以上続いて流行ってるものはないですよね?そういうことです。また、トクホなどで血圧や血糖が下がる食品が無駄に高く売っていますが、実はトクホには大して強い根拠はありません。(しつこいですが効果のある成分があればどこかの会社がそれだけを取り出して薬として発売するのが自然な流れです)

ビタミン剤も好んで飲む人が多いですが、過剰なビタミンBとCは尿から外に出されるだけなので普通の食生活をしている人が飲んでもビタミンの尿にお金を払っている感じです。また、他のビタミンは過剰に摂取すると逆に有害(ビタミンA過剰→脱毛・肌荒れ、ビタミンD過剰→体重減少・不整脈など)なのでもっと危険です。

さらにビタミンCは喫煙者でに肺がんの確率が上がることが知られていますしサプリでカルシウムを摂ると骨折は増えずに動脈硬化が進みます。唯一有用なサプリメントがあるとしたら、妊娠希望の女性が葉酸を飲むくらいですね。

サプリメントや健康食品はよくメーカーが言い訳のように「食べていいかかかりつけの先生に聞いてください」と言ってきますがが、私は必ず「自己責任で召し上がってください」と答えるようにしています(今回のようになりますからね)。

野菜がいちばん

「じゃあ何が健康にいいの?」とよく聞かれますが、「サプリや健康食品に使うお金で野菜を食べる」と答えています。基本的に日本人の平均的な食生活で圧倒的に足りないのは野菜です。高齢者は植物性か魚介のタンパク質をとっておくとさらによいですね。また、有機野菜や無農薬野菜が特別栄養価が優れているわけではありませんので、その時々の手頃な値段の旬ものをたくさん召し上がっていただければ大丈夫です。

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