オミクロン対応ワクチンの話

当院での4回目のコロナワクチン接種ですが、予約が全然埋まらなくなってきており、ワクチンが勿体ないので9月5日で一旦終了とさせていただきます。

さて、今回は最近質問されることが多い「オミクロン対応のワクチンが出るまで待った方がいいの?」という疑問にお答えします。結論から先に言うと、「どちらも良し悪しがあり、一概に決められない」ということになります。

これまで判明してる事実を羅列しますと、

  • 日本に流通するワクチンはオミクロン株の中でもBA.1のみ対応のワクチンです(BA.5対応のワクチンはまだアメリカ国内だけです)
  • オミクロン対応ワクチンを打った方が、これまでのワクチンよりもオミクロン株(BA.1〜BA.5)に対する中和抗体が1.1~1.5倍ほど多く生産されることが確認されています。
  • ただし、中和抗体が多くなったからどのくらい感染/重症化予防効果が強くなるのかはまだ詳しく調べられていません。
  • 逆に、これまでの従来型ワクチンでもオミクロン株に対する中和抗体はでき、感染/重症化予防効果もあることが確認されています。

ここから先は国内の話です。

  • 4回目のワクチンは徐々に従来のものからオミクロン対応ワクチンに置き換わっていく予定です。
  • 4回目のワクチンを既に打ってしまった人は今すぐは(5ヶ月くらい?)オミクロン対応ワクチンを打つことは出来ません。
  • ただし、オミクロン株ワクチンがどのくらい配布されるかは不明です。高齢者だけになることもあり得ます。

最後に個人的な意見です。

  • 第7波もじわじわと落ち着いてきており、持病の無い若い方はオミクロン対応ワクチンを待ってもいいかも知れません。ただし、流通量が不明のため、待ったからといって打てるかどうかは不確実です。
  • 従来のワクチンでも十分オミクロン株に効果はあるので、持病のある人、子供や高齢者と同居している人などは従来型を早く打っておいた方が安全でしょう。
  • 特に5歳以上の子供は今すぐ2回接種を終わらせておきましょう。学校が再開したことによる感染のリバウンドが心配です。

(2022/9/13追記)

  • 日本でも9月中旬からオミクロン対応ワクチンが配布されることが決定しました。流通量はまだ未定です。
  • アメリカではBA.5株からBA.4.6株へ流行が置き換わりつつあります。
  • 一部の人のオミクロン対応ワクチンへの過大評価が気になります。恐らくは従来のワクチンより少しよく効く程度ですし、第8波はオミクロン以外の株になる可能性が高いです。粛々と今打てるワクチンを打って、日常の感染対策を続けていくことが大切です。
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