傾向
全国各地でオミクロン株の感染者数が増加を続けております。年末年始や成人式の会食・宴会でまず同世代間に広まり、それが家庭内でさらに感染拡大しているのが現在の状況です。ワクチンのおかげで昨年末まで感染を低く抑えられていた油断があるのと、軽症で済むからとタカをくくっている人が一定数いることも原因の一つと考えられます。
- オミクロン株の主な症状は発熱・のどの痛み・空咳で、通常の風邪と非常によく似ています。初期は味覚異常が無いことが多いです。
- 軽症で済むといっても高熱・咳・だるさは結構辛いですし、80歳以上やワクチン未接種者の重症化率は高いままです。
- また、軽症で済んでも半年以上続く味覚嗅覚障害や倦怠感などの後遺症に苦しむ人も多く、さらに長期間が経過したあとの後遺症については何が起こるのか全く分かっていません。
- 例え重症化する割合が小さくても、全体の感染者が大幅に増えれば重症者の数は当然増えます。現にアメリカではオミクロン株の重傷者数がデルタ株流行時の重傷者数を超えました。
- 濃厚接触者が増えると医療機関や一般企業に休職者が増えて社会機能に支障をきたします。
特に子供が感染して親が休業する例が増えてきています。 - ワクチンを打っていない12歳未満の子供は非常に感染しやすく、特にマスクがきちんと出来ない幼児のいる施設で感染が起こりやすくなっています。小学生以上になるとマスクがきちんと出来るため家庭内感染の方が多くなってきますが、感染に弱いことに変わりはありません。
- 病院の空きベッドに余裕がなくなり、心筋梗塞や交通事故などコロナ以外で一刻を争う事態でも救急搬送に時間がかかるようになってきました。
対策
朗報としては感染拡大が早いぶん収まるのも比較的早い可能性が言われており我慢する期間はデルタ株よりは短くてすみそうです。実際沖縄県ではもう感染者数がピークを越えて減少に転じました。現在有効と考えられる対策を以下に挙げます。
基本的な対策はワクチンの3回目を打つこと、3密の回避を続けること、少しでも具合が悪ければ自宅療養をためらわないことです。
ワクチン
- ワクチンの3回目を速やかに打ちましょう。3回目のワクチン接種後はオミクロン株に対しても90%前後の予防効果が確認されています。
- 12歳未満の子供はワクチンを打っておらず無防備なので学校や保育所で爆発的に感染が広まりやすくなっています。
常時戦場
- 新型コロナは具合が悪くなる2日前から他人に移るので相手が元気だから大丈夫だろうというのは完全に間違いです。同様にPCR検査が陰性だったから大丈夫というのも全く信用できません。(検査した後に感染していることもあります)
- ですので、流行時の感染対策は周りの誰が感染していても大丈夫な行動をとるというのが基本です。
- 特に自宅での食事や会話から感染が拡大する例が急増しています。自宅でも黙食に努め、近距離での会話は避けるかマスクをしましょう。
- 外から帰ってきた時や食事の前に必ず石けんで手洗いをしましょう。ノロウイルスなどアルコールで死なないウイルスによる感染性胃腸炎も流行っています。
- 寒いですが、こまめ(1−2時間おきに5−10分が目安)に窓を開けて換気しましょう。
マスク
- オミクロン株ではマスク無しで会話をすると3回目のワクチンを打った人以外はほぼ間違いなく感染します。宴会はもちろんダメですが、1対1の飲食で感染した例も散見されます。しばらく我慢しましょう。
- マスクをするというのは不織布マスクを鼻までしっかり覆うことです。鼻出しマスク、布マスク、ウレタンマスクは新型コロナに対してはマスクをしてないのと同じです。近くにそういう方がいたら離れましょう。
- 街中でN95マスクを付けている方がいますが、N95マスクはまともに付けると15分くらいで息苦しくなります。それ以上付けていられるのは付け方が間違っています。長時間着用するマスクではKF94規格のマスクなどが高性能で値段も安くオススメです。
換気
- 見落としやすいのは換気です。換気というのは屋内と屋外の空気を交換することですので、窓を閉め切って扇風機だけブンブン回すのはウイルスを部屋中にまき散らすだけなので逆に危険です。先日そのような”なんちゃって換気”をしていた国内のアイスホッケー場でクラスターが発生しました。
- 外気を取り入れていない飲食店には入らないか、なるべくドアの近くに座るようにしましょう。
- アクリル板を過信しないようにしましょう。換気の流れを妨げますし、飛沫は横から回り込みます。しつこいですが外気を取り入れる以外にウイルス量を薄める効果はありません。
- 次亜塩素酸水やオゾンなどの空間除菌は全く効果がないか人体にも有害かのどちらかです。雑草だけ枯らして作物だけ残す除草剤がないのと同じです。
その他
- プールや温泉自体は問題ないのですが、皆がマスクをしない更衣室の環境が心配です。換気が悪かったり雑談する人が多い施設は避けましょう。
- 逆に屋外での感染は過剰に気にしなくても大丈夫です。運動不足でも死亡率は上がりますので散歩や屋外での運動は引き続き続けてください。
- 机やドアノブなどの物品は、具合の悪い人が触った後でない限り消毒は不要です。それより自分がこまめに手を消毒しましょう。
- 手袋には「手が荒れにくい」以上の効果はありません。手袋してるからといって安心していると周りの人にどんどん汚い手袋表面で触ることになるので、安心していないでどんどんアルコール消毒して下さい。
- 誤解されやすいのですが、石鹸での手洗いよりアルコール消毒の方が手には優しいです。アルコールの方が回数をこなしやすいためそう思えるだけです。ただし、ノロウイルスなどアルコールで死なないウイルスがありますので特に食事の前は石鹸での手洗いが確実です。