すっかり暖かくなってきましたがヤケドの話題です。ヤケドをしたらすぐ冷やせ、というのは広く知られていますが、それでは何分ほど冷やせばよいのでしょうか。
今回ご紹介するのはオーストラリアの三次医療機関にヤケドで治療を受けた子供について病院に来る前に冷やした時間とその後の転帰について比較した研究です。
https://www.annemergmed.com/article/S0196-0644(19)30538-4/
その結果、ヤケドしてから3時間以内に20分以上冷却した子供たちは、ほかの方法や応急手当しなかった子と比べ、植皮が必要となるリスクが4割低く、ヤケドが皮膚の深部に及ぶ熱傷のリスクも6割低かったことがわかりました。
各国のガイドラインではヤケドの冷却時間はオーストラリア・イギリス・欧州の熱傷学会では20分間、アメリカの熱傷学会は5分以上、英国赤十字社は10分以上とかなりばらつきがありましたが、今回の研究からすると最低20分間は冷却をしておくのが良さそうですね。