今年のインフルエンザはB型があまり流行しないまま収束しましたが、一段落したところで抗インフルエンザ薬のお話です。今年初めからゾフルーザ使用者に耐性ウイルスが出現していることが確認されていましたが、最近は同薬を使ってない人からも耐性ウイルスが検出されました。
ゾフルーザは1回の内服でこれまでの抗インフルエンザ薬と同等の効果が得られるとのふれこみで発売になりました。実は発売前の臨床試験で既に耐性菌が出現しやすいことが示唆されていましたので、日本小児科学会や日本感染症学会は積極的な使用を控えるよう声明を出しており、当院でも採用は見送っておりました。
ですが、メーカーは都合の悪いことは自ら言い出しませんし、テレビや雑誌もスポンサーの宣伝文句をチェックしたりはしないので、我々からしたら不可解な一大ゾフルーザブームが昨年末から発生し、少し困惑しておりました。
果たして、このように耐性ウイルスが発生してしまったのでバブルも弾けてしまったのですが、メディアが騒ぎ立てる新商品には必ず裏にスポンサーがいますので、賢明な皆様におかれましては医学に関するメディア報道に疑問がありましたら気軽に外来で質問してください。
また、個人的にオススメしている漢方薬の麻黄湯ですが、このたび新しい試験結果が出ました。インフルエンザに麻黄湯を使用することで、発熱期間はタミフルなどよりも短くなり、有症状期間やウイルス排出期間にも差がない、という結果でした。若くて体力のある人に特によく効きますので、よろしかったらご希望くださいね。