風邪が長びいて?喉が痛い! | 亜急性甲状腺炎の話

たまには専門の話をします。

亜急性甲状腺炎って何?

首にある甲状腺というホルモンを作る場所が炎症を起こしてしまう病気です。風邪をひいたりした1-2週間後に首の痛みと発熱で発症し、特に30-50代の女性に多いとされています。風邪が長びいているだけと勘違いして診断が遅れる場合も多く、何もしなくても治るのですが3ヶ月くらいかかるのできちんと診断・治療した方が良い病気です。治った後でも甲状腺ホルモンが低下してしまう方もいます。

どんな症状になるの?

風邪を引いた1-2週間後に、甲状腺(男性でいう喉仏の下あたり)の痛みと発熱(37-39度)が出るのが特徴です。甲状腺が硬くなる人もいます。炎症により甲状腺ホルモンが過剰に漏れ出てしまうため動悸・息切れ・発汗異常・食欲亢進・体重減少なども伴います。風邪が長びいているだけと勘違いしたり、バセドウ病と間違われる場合もあります。

どうやって診断するの?

採血での炎症反応や甲状腺ホルモンの値と、超音波検査での甲状腺の特徴的な様子などから判断します。当院ではその場で超音波検査ができますので、採血結果が出るまでに大体の当たりを付けることができます。

どうやって治療するの?

炎症を抑える薬を1-2週間投与します。何もしなくても治りますが3ヶ月くらいかかります。はじめの炎症の程度が強かった場合は後で甲状腺のホルモン産生が低下してしまうことがあり、その場合は甲状腺ホルモンの補充が必要になります。痛みが治まった後も甲状腺ホルモンの値を調べておいた方が安心です。

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