年明け早々ですが、2026年度の定期接種ワクチンでいくつか変更が決まりましたのでまとめました。
肺炎球菌ワクチン
65歳時の定期接種となっている肺炎球菌ワクチンですが、2026年度より、ワクチンの種類がこれまでのPPSV23(商品名ニューモバックス)からPCV20(商品名プレベナー)に変更になります。
23から20に数字が減っているから質が悪くなっているのか?と思われる方もいるかもしれませんが、ワクチンの仕組みが異なるのでPPSV23よりPCV20の方が肺炎の予防効果は高いとされています。実際にアメリカなどの先進国では以前からPCV20が高齢者と幼児に接種されていますし、日本でも数年前から子供の定期接種はPCV20に切り替わっています。
また、前述のようにPPSV23は免疫の効きがPCV20に比べると弱めなので、これまでは肺炎球菌ワクチンを打った方に「5年後にまた同じワクチンを打ちましょう」とか「1年後にPCV20を打ち直しましょう」と案内していました。しかし、PCV20に切り替わってからは、1回打てば特に追加のワクチンを打つ必要はないとされています(今後の研究で変わる可能性はあります)。
2025年度までに肺炎球菌ワクチンを打った方は補助金は出ませんが前回接種から1年後以降にPCV20を打っておくとより安心です。
高濃度インフルエンザワクチンの定期接種化(75歳以上)
昨年から発売されている高濃度インフルエンザワクチン(商品名エフルエルダ)が2026年度より75歳以上の高齢者に補助金が出ることが決定しました。高濃度インフルエンザワクチンは抗原が従来のものより4倍多く含まれており、免疫機能の低下した高齢者に対して特に有効とされています。本当は65歳以上に対して効果が高いのですが、金銭的な都合のためか本年度は75歳以上が補助金の対象となりました。具体的な金額はまだ未定です。
3種混合ワクチン・肝炎ワクチンの値上げ
2026年4月からA型とB型の肝炎ワクチン、および三種混合ワクチン(百日咳含む)の値段が2-3倍程度上昇することが決定されています。これは原材料の全体的な値上がりによるものなので他のワクチンも同時期に値上がりする可能性がありますので、接種するか迷っているワクチンがあるようでしたら3月までの接種をお薦めします。
HPVワクチンの種類の縮小
これまで3種類から選べたHPVワクチンの定期接種ですが、2026年度から3種の中で最も予防範囲の広いシルガード9のみが対象になります。
これは一部の特殊な例を除いてわざわざ守備範囲の狭い2価や4価のワクチンを打つ必要がないためで、当院では当初からシルガード9しか扱っておりませんので当院には関係のない変更ではあります。
RSウイルスワクチンの妊婦定期接種化
RSウイルスは全年齢に繰り返し感染し、いわゆる風邪症状を呈するウイルスです。健康な成人が感染しても軽症で済むのですが、乳幼児や免疫の低下した小児・高齢者が感染した場合気管支炎や肺炎などに重症化することがあり、乳幼児では重症化すると約1%が死亡、高齢者が入院した場合の致死率も10%前後とされています。
そのため乳幼児および高齢者に対してのワクチンが製品化されており、このうち乳幼児対象のワクチンが2026年4月から定期接種化されます(高齢者も補助金無しですが打てます)。乳幼児に対しての予防注射なのですが妊娠中の母親に接種する必要があるため、妊娠28週から36週の間に1回接種するのが最適とされています。費用は無料になる予定ですが詳細は市報などをお待ちください。
