LANCETという有名な医学雑誌に「虚血性心疾患の一次予防」についての最新の総説(リンク先の原文は有料記事です)がありましたのでご紹介します。
虚血性心疾患というのは心筋梗塞など心臓に血が行かなくなる病気の総称で、一次予防というのはこれまでなったことのない病気を防ぐという意味です(かかったことある病気に再度かからないようにするのが二次予防ですね)
内容を抜粋しますと以下のようになります。
これまで当院で繰り返し説明している内容とあまり変わりませんね。
- 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸をできるだけ食べない
- 精製された炭水化物(白米、白い小麦粉、シリアルなど)を減らす
- 塩分は1日最大12g(訳注:6g以下とするガイドラインが多いので比較的緩めですね)
- LDLコレステロールは100mg/dL以下が目標
- 喫煙者は禁煙する
- 1日30分以上、週5日以上運動する(歩数でいうと1日8000歩くらい)
- 血圧は130/80以上で治療を始める
油の例を具体的に挙げますと以下のようになります
- 避けるべき油脂(飽和脂肪酸とトランス脂肪酸)
チーズ、牛乳、バター、ココナッツオイル、パームオイル、加工肉(ソーセージ、ベーコン、ハンバーガー、ハム)、クッキーやケーキ、マーガリン、ショートニング、マヨネーズ など - 摂るべき油脂(不飽和脂肪酸)
魚、ナッツ類、オリーブ、アボカド、他植物油全般(ごま、キャノーラ、紅花、亜麻仁、ひまわり、コーン、大豆、などなど)
よく健康に良いとしてエゴマ油や亜麻仁油など値段の高い油が宣伝されていますが、上記の通りオリーブ油はもちろんキャノーラ油やゴマ油など国内で一般に流通している植物油はほとんど体に良いものなので、あまり種類を気にする必要はありません。ただし、ココナッツオイルとパームオイルだけは飽和脂肪酸が多くて体に悪い植物油なので注意が必要です。
また、元がどんな良質の油でも、古くなったり加熱を繰り返して酸化してしまうと体に悪い油になりますので、保管方法や揚げ物に再利用しすぎないよう注意することが大切です。
以上、ふだんの生活習慣の参考になれば幸いです