沖縄に端を発した麻疹の流行が止まりません。
沖縄県:最新の麻疹流行状況 沖縄県:沖縄県への旅行を予定している皆様へ
4月23日の時点で沖縄だけで70人以上の感染者が発生しており、名古屋や仙台などでも2次感染が広がりつつあります。
ニュース:沖縄での麻疹の流行-なぜ流行は繰り返されるのか? ニュース:麻疹流行、ワクチン不徹底世代が絶対に注意すべきこと
麻疹は空気感染という非常に強力な感染力を持つ病気で、同じ部屋、同じ飛行機、同じ電車の車両内にいるだけで抗体の無い方は感染してしまう可能性があります。実際、名古屋では麻疹患者さんと同じ病院を訪れた方が2人感染しております。
麻疹は発症してしまうと有効な治療薬はなく、肺炎や脳炎(1000人に1人発症し致死率15%)などを起こし後遺症が残ることもあります。また、妊婦が感染すると早産や死産になることもあります。一方で、2回の予防注射をすることでかなりの確率で感染を予防でき、また運悪く麻疹にかかっても症状が軽くて済みます。
現在沖縄と同様に台湾でも麻疹の感染が確認されていますが、台湾では2次・3次感染した方は12人と日本より少なくなっております。これは台湾での麻疹予防接種率が97%と高い一方で、沖縄では90%前後にとどまっていることが大きな原因です。
沖縄タイムズ:はしか予防、台湾は奏効
日本はもともとワクチン後進国なのですが、さらに悪いことに現在28歳以上の方は麻疹の予防注射を1回以下しか受けていないため、その世代で麻疹にかかったことがない方は麻疹に対する免疫がかなり低くなっています。逆にある程度以上の年齢の方は麻疹の流行を経験しているため、1977年から1990年生まれが特に無防備な世代です。
ニュース:はしかが沖縄で流行中、専門医がGW旅行「キャンセルよりワクチンを」と呼びかけるわけ
沖縄の麻疹流行が収束の兆しをみせず、また、いつ海外からの麻疹が国内で流行するかも分からない時代(東南アジアでは常習的に麻疹が流行しております)ですので、母子手帳を確認して麻疹ワクチンを1回以下しか受けておらず麻疹にかかったことがない方は、是非お近くの医療機関で麻疹の抗体検査もしくは予防注射を受けて下さい。
ただし、1歳未満のお子さんや妊娠している方、化学療法などで免疫の低下している方は麻疹の注射は受けられませんので、周りの方が予防注射をして守ってあげることが大切です。
当院でも麻疹風疹混合ワクチンでしたら在庫僅少確保しておりますので、お問い合わせ下さい。
参考リンク はしか0プロジェクト 国立感染症研究所:麻疹について