2017年9月の新規採用薬について

久しぶりの更新になります。

今月から、以下の薬を新規採用と致しました。
当院では、新発売だからといってすぐに飛びつくようなことはせず、費用対効果などを慎重に検討してから採用するようにしております。
何か疑問がありましたら診察時にご遠慮なくお尋ね下さい。

アメナリーフ

帯状疱疹の新しい治療薬です。帯状疱疹は、体の片側の違和感・痛みから始まり、数日で水疱を伴った発疹が出てくる病気です。子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが体にずっと潜伏しており、加齢やストレスなどで免疫力が低下してくると活動を再開してくるのが原因です。

放っておいても1-2週間で自然によくなりますが、治った後もピリピリとした神経痛が残ることもあります。発疹が出てから2-3日以内に治療を開始すると、治癒までの時間が短くなり、神経痛の発症する可能性も抑えられます。上記のような症状がありましたらすぐに医療機関を受診して下さい。

これまでは1日3回の内服が必要で、腎機能が悪い方や高齢の方は量の調節も必要でしたが、このアメナリーフという薬は1日1回の内服のみで済み、腎機能に関係なく、値段もこれまでより安い薬です。9月3日より処方可能になります。

また、50歳以上の方はワクチンで発症を予防する事も出来ますので、ご希望の方はご相談下さい。

デザレックス

抗ヒスタミン薬というアレルギー薬の新薬です。これまでのクラリチンという薬の改良版で、1日1回の内服で済むこと、脳への移行が少ないため運転などに支障がないこと、効き目はこれまでの薬と遜色ないかもしくは優れていること、などが特徴です。

新しい薬のため12月までは1度に2週間しか処方できません。また、対象年齢が12歳以上からになっておりますのでご注意下さい。

ロスバスタチン(AG)

コレステロールが高い人に処方されるスタチンという種類の薬のうち、クレストールという商品名のジェネリック薬です。ロスバスタチンはスタチンのなかでも作用が強く、半減期(体から無くなるまでの時間)が最も長いことから1日おきの内服にも適しております。

ジェネリック薬というのは例えると有名店のレシピを使った他店の料理と同じで、値段は安いのですが本家と同じ味であるかの保証はありません。AG(Authorized Generic)というのは、いわば本家の暖簾分けをされた支店のようなジェネリック薬で、一般的なジェネリック薬よりも信頼性が高いと考えられます。

つまり、本薬は薬剤としての信頼性が保たれつつ、値段がこれまでの半分くらいになっています。9月13日から処方可能になります。

ベルソムラ

現在不安や不眠などに広く用いられているベンゾジアゼピン系(デパス、リーゼなど)および非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬(マイスリー、アモバンなど)には、日中の眠気・ふらつき・転倒・精神運動機能低下・前行性健忘(内服後の出来事を忘れる)・頭痛・吐き気などの副作用があります。また、1ヵ月程度内服すると依存状態となり、濫用が世界的な問題となっております。
参考記事:(厚労省 承認用量でも漫然投与で依存性 ベンゾジアゼピン系薬)

ベルソムラは異なるタイプの睡眠薬で、依存状態になりにくく、ふらつきや健忘も少ないことが知られています。

前述の通りベンゾジアゼピン系の薬は依存症や副作用があることから、ベルソムラや他の薬なども使いながら当院でも徐々に減量を目指していきます。ですが、下手に減量や中止をすると離脱症状を来すため、使用中の方はくれぐれも自己判断で服薬を中止したり、用量を減らしたりされないようお願いいたします

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