当院では糖尿病患者さんには「まず砂糖を一切止めましょう」という食事指導をしておりますが、清涼飲料水が寿命を縮める可能性を示唆する論文が新たに発表されました。
ヨーロッパ10カ国の45万人を対象に清涼飲料水と死亡率の可能性を調べたところ、1日500ml以上清涼飲料水を飲む人は1日250ml以下の人に比べ、大腸がん・消化器疾患・循環器疾患・パーキンソン病などを含め全体的に死亡率が高かったことが分かりました。これは喫煙や肥満の有無とは無関係で、人工甘味料と砂糖どちらの清涼飲料水でも同じ傾向でした。
理由についてはまだはっきりとは分かっていませんが、脂肪細胞などの慢性炎症による可能性などが考えられています。
以下、私見です
こちらはコホート研究ですので清涼飲料水と死亡率の因果関係がはっきりと証明されたわけではありません。
当院では「人工甘味料ははっきり人体に有害とは証明されていないのでどうしても甘いものを摂りたい人が砂糖の代用にするのは構わないが、甘いものを食べるクセがやめられないという欠点があります」という立場でしたが、将来的に修正する可能性も出てきました。
他の食品の研究結果もそうなのですが、”カロリーが低いものはとにかく健康にいい”という考えは時代遅れになりつつありますね。