糖尿病のお話 その1 合併症(神経障害)

今日は自分の専門である糖尿病のお話です。

みなさん糖尿病の治療は何のためにしていると思いますか?
血糖値を良くするためですか?実は違うんです。

糖尿病治療の最大の目的は、糖尿病を放置すると起こってくる様々な合併症を防ぐことにあります。血糖値を下げるのはあくまでその手段であって、目的ではありません。そこが糖尿病の治療で一番大切なポイントです。糖尿病は血糖が高くなるから怖い病気というわけではなく、血糖が高いと様々な合併症を引きおこすのが怖い病気なのです。本日からその合併症の話をしていきたいと思います。

合併症として一番有名なのは、”し・め・じ”のゴロ合わせでお馴染みの神経・眼・腎臓ですね。あとは心筋梗塞・脳梗塞がん・認知症・うつ病も起こしやすくすることが分かってきました。

まずは神経のことからお話ししようと思います。みなさん法事などで長く正座をすると足が痺れると思いますが、糖尿病を放置していると、正座をしていないのに同じ症状が出てきます。これは高血糖により毒性の物質が細胞に溜まり、神経を傷害するからだといわれています。痛みが出なくても、感覚だけが無くなってくる人もいます。この感覚が無くなるというのが糖尿病の神経障害の一番怖いところで、まず、傷が付いても気づかなくなります。足の裏を毎日チェックする人はあまりいないと思いますので、靴擦れなどで足に傷が出来ても痛くないから気づかず、どんどん傷が悪化してきます(糖尿病の方は傷の治りが遅く、細菌感染にも弱くなります)。最終的には足が黒く腐ってしまい、指や足を切断しないと命が危険な状況になります。信じられないかもしれませんが、神経が傷害されているので、足が黒くなったり穴が空いていても全く痛くないのです。よって、病院になかなか来ず、来たときは手遅れで足を切ることになってまう方も多いです。

また、法事のあと足が痺れて歩きにくかった経験がある方も多いと思います。ふだん、私達は足からの情報を無意識に処理してバランスを取っているので、足が痺れているとそれが出来なくなるためふらつくのです。同じように、糖尿病による神経障害で足の感覚が無くなると、無意識のうちに姿勢のバランスが悪くなり、普段と違う足の部分に体重がかかってしまいます。すると、靴擦れやウオノメが出来たり、足の関節が変形してしまう方もいらっしゃいます。靴擦れやウオノメは糖尿病があると前述のとおり治りにくく悪化しやすいです。なので、糖尿病の方は自分の足にケガがないかこまめにチェックし、靴擦れが出来にくい自分に合った靴を選ぶことが重要になってきます。

糖尿病の神経障害は足が最も出やすいのですが、他の神経も傷害されますので、糖尿病を放置していると、立ちくらみ・胃もたれ・発汗異常・勃起障害・下痢・便秘などの症状も出てきます。

神経の障害を起こさないためには血糖を適切に保つことが一番なのですが、痛みが出てきた後に症状を緩和するための薬もあります。お困りの方は是非専門家にご相談下さい。

長くなりましたので次回以降に続きます。

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