認知症を予防せよ!~高血圧編~

現在の医学では、認知症の原因と考えられ、なおかつ治療が可能な要因として、高血圧・難聴・うつ病・糖尿病・喫煙の5つが挙げられています。(週刊誌とかに出てくる他の俗説には医学的根拠は無いと思ってください)

近年血圧の目標値はどんどん厳しくなっておりますが、では血圧をどのくらいにしておけば認知症の予防にいいのかという話題です。

これまでの研究で脳の病変(正確には大脳の白質病変)が増えると認知症、運動機能低下、転倒、脳卒中などが増えることが確認されています。このINFINITY試験では血圧の目標をイケイケ群(参加者の平均血圧が128くらい)とホドホド群(参加者の平均血圧が144くらい)に分けて、3年後の脳の病変や運動機能の違いを比較しました。

すると、イケイケ群もホドホド群も3年後の歩行速度には差は無かったのですが、イケイケ群の方が心血管疾患の発症も大脳の白質病変も少ないという結果になりました。これは過去、50歳以上の高血圧患者で同様の検討をしたSPRINT試験と同じような結果になりました。

それとは別に、高齢者の血圧を過度に下げると死亡率が上がることが既に分かっていますので全員がイケイケ群になるのは危険なのですが、高齢者の最適な血圧目標に対して一石を投じる研究ではありますね。

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