そのがん検診、必要ですか?

日経新聞にも載った過剰健診の話題です。
根拠薄いがん検診、自治体の9割で 過剰診療招く恐れ  :日本経済新聞

まず大事な前提として、健診や検査はすればするほど病気が見つかるから体に良いと信じている方が多いのですが、実はこれは大きな誤解です。

日経新聞の記事内にも書いてありますが、

  • 検査自体が体に害を与える
  • 精密検査の結果、がんでなかったとしても、判明するまでに心理的・肉体的な負担がかかる
  • どうしてもがんでないものをがんと間違える事があり、不要な手術や精密検査が必要になる
  • 放置しても寿命に関係ないがんも中にはある

などの理由により、がん検診というのは適切な種類の人に適切な間隔で行う必要があります。

過剰診断のより詳しい解説については名取宏医師のこちらの記事をご覧ください。
検診で乳がんが発見された人が100人いたとして – NATROMのブログ
「過剰診断」とは何か – NATROMのブログ

ではどういうがん検診を受ければよいのか。
日経の記事内にも書かれていますが、日本人に明らかなメリットが確認されているのは

  • 胃がん検診(バリウムと内視鏡どちらでも可)
  • 大腸がん検診(便潜血検査2回)
  • 肺がん検診(ただし、喫煙歴の長い方に対するCT検査のみ)
  • 乳がん検診(50歳以上の女性は必須。40代から行うべきかは異論あり)
  • 子宮頸がん健診(成人したら毎年やりましょう。子宮頸がんワクチンも忘れずに)

のみです。

その他のがん検診の推奨については、英語ですが以下のサイトに詳しいです。(日本語のサイトはあまり質がよくありません)
https://www.uspreventiveservicestaskforce.org/BrowseR…/Index

また、人間ドックや一般的な健康診断が寿命を延ばすという明らかな証拠もありませんが、これはまた別の機会にお話します。

健診もそれなりに値段がかかりますので、的を絞って賢く受けるようにしたいですね。もちろん、健診よりも各種ワクチンの方が病気を防ぐ効果は確実に高いので、そちらもお忘れなく。

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